<ごあいさつ>
このたび、2025年4月1日付けで、埼玉医科大学国際医療センター呼吸器外科 教授・運営責任者・診療部長を拝命いたしました、菱田 智之(ひしだ ともゆき)と申します。当科は初代・金子 公一教授により開設され、石田 博徳教授に引き継がれ、このたび私が着任いたしました。
私の専門は、肺がんを中心とした胸部悪性腫瘍の外科治療ですが、気胸や膿胸などの良性疾患を含め呼吸器外科全般に幅広く携わってまいりました。また、新たな治療開発にも力を入れており、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)では、複数の多施設共同臨床試験を主導しております。これまでの経験を礎に、各部門のスタッフとの連携を大切にし、当科を受診されるすべての患者さんに最善の医療を提供できるよう尽力してまいります。
当呼吸器外科では、埼玉県西部の基幹病院として、肺がん、縦隔腫瘍、中皮腫などの胸部悪性腫瘍に加え、気胸や膿胸などの良性疾患を含む呼吸器外科全般にわたる外科診療を幅広く行っております。年間手術件数は約400件に達し、国内でも有数の実績を有しております。標準的な手術はもとより、進行がんや困難症例に対する手術も多く、我々は、埼玉県西部における呼吸器外科の「最後の砦」としての責務を果たすべく、日々努力しております。
当科の特徴としては、手術にとって最も大切である「安全性」と「根治性」の両立を常に追求していること、呼吸器内科・放射線治療科・病理診断科などとの密な連携による集学的治療(進行がん患者さんに対する術前・術後治療)が得意であること、さらに、胸腔鏡下手術やロボット支援下手術などの低侵襲手術(患者さんへの負担を軽減する手術)の経験が豊富であることが挙げられます。
ロボット支援下手術は、2022年12月に導入し、病院のご支援の下、2023年には59件、2024年には106件と、実績を大きく伸ばしております。当科には、ロボット手術のプロクター(指導医資格)を有する医師も在籍しており、これまで全てのロボット支援下手術を安全に行ってまいりました。早期・小型肺癌に対するロボット支援下の縮小手術(区域切除)も慎重な適応判断のもと、積極的に実施しております。今後も、チーム一丸となって、安全かつ確実な手術の提供に努めてまいります。
当院は、大学病院であり、心疾患など併存疾患を有する患者さんに対しても、関連各科と連携の上、万全の体制で対応しております。また、肺がんの可能性がある肺結節に対する画像評価、気管支鏡検査、CTガイド下針生検、さらには気道狭窄に対する気道インターベンション(ステント治療など)にも積極的に取り組んでおります。
当呼吸器外科では、スタッフ一同、受診されるすべての患者さんに最善の医療を提供する所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。
呼吸器外科では、肺癌、気胸、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫、転移性肺腫瘍、慢性膿胸などの胸部全般的な疾患に対して診断と外科治療を行います。
自然気胸、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍、転移性肺腫瘍に対しては多くが胸腔鏡下手術を行い、また原発性肺癌の4分の3は完全ないし補助下の胸腔鏡手術で行っています。
”進行”肺癌、胸膜中皮腫、悪性縦隔腫瘍に対しては補助化学・放射線療法を組み合わせた拡大手術を行い、とくに胸膜中皮種へは胸腔内温熱化学灌流療法後に化学療法と手術治療を試みています。
気管支鏡を用いた治療として、切除不能な気管・気管支の高度狭窄性病変に対しての気道内ステント留置や、低肺機能の難治性気胸に対する気管支塞栓術なども行います。
最近、”早期”の肺癌がCT撮影にて小型の限局性すりガラス陰影として発見されることが多くなり、経過観察とともに肺切除による診断と治療を行います。
少なくとも週1回は、呼吸器外科、呼吸器内科、放射線診断科、放射線腫瘍科、他関連科(病理診断科)との合同カンファレンスを行い、個々の患者さんに応じて、年齢、病状、病期、合併症などを考慮した最適で効果的な治療を検討します。
ロボット手術に関して
当科は2022年12月からロボット手術(ダビンチ)を導入し、2024年12月(2年間)で計167件の手術を行いました。安全に実施し、低侵襲であり、期間はまだ短いですが根治性も担保されています。呼吸器外科専門医、麻酔医、看護師、臨床工学士、機器業者からなるチームの密な連携により手術件数は増加傾向です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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初診 |
菱田 智之 (午前、午後) 田口 亮 (午後) |
-- |
二反田 博之 (午前・午後) 市来 嘉伸 (午前・午後) 田口 亮 (午後) |
-- |
二反田 博之 (午前) 梅咲 徹也 (午後) |
交代制 |
午前 |
菱田 智之 坂口 浩三 |
交代制 (手術日) |
二反田 博之 市来 嘉伸 |
交代制 (手術日) |
二反田 博之 石田 博徳 坂口 浩三 |
田口 亮 交代制 |
午後 |
菱田 智之 梅咲 徹也 田口 亮 |
交代制 (手術日) |
二反田 博之 市来 嘉伸 田口 亮 |
交代制 (手術日) |
梅咲 徹也 | 二反田 博之 |
当科では、診断から外科治療を行います。肺癌や縦隔腫瘍などの診断がついていなくても、検診で胸部異常陰影を指摘された場合や、咳・痰が長く続く、血痰・喀血、呼吸苦がある、胸が痛いなどの症状の場合も、ご紹介ください。
また、肺癌らしいが、内科的治療か外科治療か判断しかねる場合も紹介いただければ、患者さんにとって最適な治療を目指します。
外来予約はお電話で構いませんが、外来受診時は紹介状が必要ですので、患者さんにお渡しください。当科医師と直接の電話相談も承ります。
当科は呼吸器専門診療科として“病診連携”を大切にし、地域の医療機関から紹介していただいた患者さんの迅速な診断と適切な治療を行い、手術後はできるだけ早めに紹介先に治療経過の報告を行います。退院後は当科疾患に対しては定期的な外来通院行いますが、紹介先での従来の疾患治療は継続をお願いしています。
また、当科医師は地域の研究会やセミナーに参加し、当院での地域連携懇話会なども通して、地域の診療所や病院の先生方との親密な交流を心がけています。
運営責任者、診療部長、教授
診療副部長、准教授
講師
助教
助教
客員教授
非常勤講師
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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初診 |
菱田 智之 (午前、午後) 田口 亮 (午後) |
-- |
二反田 博之 (午前・午後) 市来 嘉伸 (午前・午後) 田口 亮 (午後) |
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二反田 博之 (午前) 梅咲 徹也 (午後) |
交代制 |
午前 |
菱田 智之 坂口 浩三 |
交代制 (手術日) |
二反田 博之 市来 嘉伸 |
交代制 (手術日) |
二反田 博之 石田 博徳 坂口 浩三 |
田口 亮 交代制 |
午後 |
菱田 智之 梅咲 徹也 田口 亮 |
交代制 (手術日) |
二反田 博之 市来 嘉伸 田口 亮 |
交代制 (手術日) |
梅咲 徹也 | 二反田 博之 |