病院の概要

病院長挨拶

「患者中心の医療」を具現化する
 世界最高水準の病院を目指して

埼玉医科大学国際医療センター
病院長 佐伯 俊昭


埼玉医科大学国際医療センターは埼玉県のあらゆる診療を担う埼玉医科大学の病院グループでは、最も新しいコンセプトで設立され、特に国際医療センターの名前に相応しい、世界最高水準の病院作りをめざし、地域および日本の医療に貢献してまいりました。『患者中心の医療』は、世界中の病院の目標であり、その達成のためには、誰が、何時、なにを、どのようにして、この理念に基づいた診療を行うかを常に職員一人ひとりが考えて診療を行うことで実現します。病院の国際評価機関であるJoint Commission International(JCI)は、多くの課題を示し、これらを各部署の一人ひとりの職員が考え、実行しています。

病院の使命は、埼玉県全域を範囲とし、がん、心臓病に対する高度専門医療に特化し、かつ高度の救命救急医療を提供することです。また、埼玉西部地区の地域医療の最後の砦として機能することを目指していますので、複雑で難しい疾患や病態をもつ患者さんをお引き受けします。そして、患者さんが満足のいくような継続医療をめざし、地域の先生方と密接な連携を持つことが重要と考えています。

3kmほど離れた埼玉医科大学病院とは兄弟のような関係で、二つの病院で一つの大きなメディカルセンターを形成しています。それぞれ得意な専門領域を分担していますが、当院は生命に直ちに関わる「がん」、「心臓病」、そして「脳卒中を含めた救命救急」の疾患の治療を得意とする病院です。当院は、従来の病院、特に大学病院の概念や枠組みに全くとらわれずに、「患者中心の医療」を具現化することをめざしています。病院の玄関に足をいれたその瞬間から、今までの病院とは違うという印象を抱かれると思います。病院で働くすべてのスタッフが真心で、「患者中心の医療」を心がけ、安心で安全な満足度の高い、質の高い医療をめざしています。

当院は平成27年2月に日本の大学病院では初めてとなる国際的な病院機能評価にあたるJCIの認証を取得しました。医療の質と安全に関して国際的なグローバルスタンダードに十分に達していることが証明され、今まで以上に地域の方々に自信をもって診療にあたることができるようになりました。

包括的がんセンターでは、がんという腫瘍の治療ではなく、がんをもつ患者さんを全人的に診るがん治療をモットーとしています。腫瘍外科医、腫瘍内科医のみならず、病理医、放射線医、精神腫瘍医、関連診療科の医師、リハビリテーション医、そして専門および認定看護師、看護師、薬剤師、管理栄養士をはじめ、その他多くの医療スタッフが協力して診断および治療に参画します。さらに、当院にはあらゆる臓器の専門医がおりますので、がんの他にどのような重篤な余病を持っていても、心臓病センターや脳卒中センターなどと一体となって治療を遂行します。

心臓病センターは、新生児の複雑な先天性心疾患から、成人・高齢者のあらゆる状態の心臓病まで扱う高度専門の心臓病センターです。人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術、不整脈に対する心筋焼灼、大血管のステント治療、そして、心臓移植や人工心臓を必要とするような重症心臓病などは得意とする分野です。小児心臓は、日本で有数の複雑心奇形の治療施設であり、開心術のみならず、不整脈治療を含む先端医療的なカテーテル治療を積極的に進めています。そして小児においても人工心臓植え込みの数少ない認定施設となっています。

救命救急センターは、三次救急施設として認可されていますが、基本的に救急搬送の患者はすべて受け入れる方針です。救命救急センターには、急性心血管センター、脳卒中センター、救急・外傷センターに加え、がん救急を含む疾病救急があります。急性心血管センターでは、心筋梗塞や大動脈解離などの手術やカテーテル治療を24時間体制で行っています。脳卒中センターは脳卒中内科、脳卒中外科、脳血管内治療科の専門診療科が一体となって、脳出血および脳梗塞などの救急疾患に対処しています。重篤な外傷患者は、救急・外傷センターの医師が他の診療科の医師と共同で治療にあたります。もちろん、がん患者の救急も24時間受けつけており、夜間でもあらゆる診療科の医師が20人以上で当直体制を組んで勤務しています。

当院は従来の縦割りの診療科毎の診療ではなく、横の繋がりを重視し、一人ひとりの患者さんに職員全員で治療にあたるという基本を貫いています。どうか埼玉医科大学国際医療センターに安心して受診してください。