診療部門のご案内

口腔ケアチーム

ごあいさつ

 「口腔ケア」とは口の中を清潔に保つことで、口腔内のみならず全身の健康を保つケアです。口腔内の清潔が損なわれると虫歯や歯周病といった疾患に罹患しやすくなるだけでなく、黄色ブドウ球菌や肺炎桿菌などの口腔内の細菌が増える温床となります。これら口腔内の細菌が誤嚥性肺炎などの全身疾患を引き起こす原因となり、治療の遅れの要因になってしまう恐れがあります。
 そこで、当院では口腔ケアチームを立ち上げ、リハ医、口腔外科医、看護師、言語聴覚士(ST)、歯科衛生士等の多職種で患者さんの口腔内ケアと摂食嚥下機能障害に取り組んでいます。  
 口腔内の衛生状態の改善と嚥下機能向上という当チーム共通目標達成への実践により、満足度の高い医療提供と患者さんのQOL(生活の質)の向上へ寄与して行きたいと考えております。

口腔ケアチーム 委員長 牧田 茂

 


口腔ケアチームの紹介

 口腔ケアチームは2017年に発足され、構成メンバーは、リハ医、口腔外科医、看護師、言語聴覚士(ST)、歯科衛生士、さらに各病棟にリンクナースが配置されました。当院における口腔ケア及び摂食嚥下ケアは、術後の誤嚥性肺炎予防や感染性心内膜炎または脳障害による嚥下障害、がん治療による有害事象など、患者さんの不利益を口腔から回避する大きな役割を担っています。
 近年では口腔内細菌と内科疾患との関連性、咀嚼(そしゃく)の機能と老化・認知症との関連性など、口腔環境が全身の健康と密接に関連していることが明らかになってきました。口腔ケアは口の中を清潔に保つだけでなく、誤嚥性肺炎の予防や、全身疾患の予防、QOL(生活の質)の向上、また口腔機能の向上につながります。
 当チームは月1回の会議を開催し、口腔ケア・摂食嚥下障害患者さんに、質の向上を目指し討議を行っています。
 また、週1回口腔ラウンドを行い、病棟看護師へ口腔ケア指導と歯科口腔外科の介入の必要性を審議し、適切なタイミングで適切な口腔管理がなされるように日々活動を行っています。


主な活動内容

  • 運営会議
    入院中の患者さんの口腔内環境改善を図るため物品やシステムを整備し、質の向上に取組んでいます。また摂食嚥下障害患者さんに対し、個々の病態や嚥下機能を検討し、その人に合った食事を安全に食べることができるよう検討を行っています。
  • 口腔ラウンド
    全ての入院患者さんに口腔内評価表を使用し、スコアによるラウンドを毎週金曜日に看護師、言語聴覚士(ST)、歯科衛生士と行っています。病棟での日々の口腔ケア内容や実施方法、患者さんの口腔内の状況をチェックし、最も適したケア方法を看護師に指導しています。
  • 摂食機能ラウンド
    摂食嚥下障害があり、食事摂取に注意が必要な患者さんに、適切な食形態であるか、食事中のむせの有無や食事摂取量などのチェック行い、安全においしく食事が摂取できるよう介入しています。
  • リンクナース会議
    月1回開催しています。患者さんの日常生活を支える看護職が、口腔ケアチームとして経口摂取をゴールとした医療の質向上を図ることを目的とし、口腔管理の知識向上と臨床における技術向上を図っています。